ブルータリズムと鉛筆シェーダー
鉛筆の跡から形が立ち上がる。線の身振り、描き分け、黒鉛を探るインタラクティブな実験。
ドラッグで回転 · 矢印キーでも操作可 同じ形、違う感触。上の言葉は印象の提案であり、感情を測った結果ではありません。
線に建物を語らせる
新しい実験 — 2026年10月18日。
下に残した建物の参考画が魅力的なのは、何に目を向けるかを絵が選んでいるからだ。濃い線が床や柱の重みを担う。一方で、別の輪郭はかすれ、接点からずれ、紙の余白へと消えていく。すべての面を同じ密度で描く必要も、遠近法に完璧に従う必要もない。
最初の立方体の実験は、描画を立体に貼る素材として扱いすぎていた。交差線や柔らかな黒鉛は有用な質感だったが、すべての面を正確な境界まで描くと、やはりレンダリングされた立方体に見える。今回は線で描くから始める。画面に見えるものは有限の鉛筆ストロークだけで、立方体は見えないガイドになる。
小さな描画エージェントが前方の輪郭と濃淡を感知し、向きを変えながら不均一な跡を残す。すでに描かれた跡は、他のエージェントが同じ場所を過密に描くのを抑える。輪郭線の長さと太さは一定ではなく、境界をはみ出したり、描きかけのまま終わったりする。描き分けを強めると、最も手前の構造的な角に注意が集まる。面のガイド自体を絵に塗り込むことはない。
輪郭と陰影が同じルールに従う必要はない。陰影のエージェントまで輪郭を追うと、立方体に毛が生えたように見える部分があった。面の陰影では、輪郭の描画を同じに保って三つの実験を比較できる。
- 面に沿う短い線 — 新しい初期設定。面の小さな領域ごとに方向をそろえ、少し弓なりの短い線を描く。輪郭には引き寄せられず、線の幅全体が境界に達する前に止まる。
- 面内に留めるエージェント — 以前の操舵を保ちながら、各陰影ストロークに所属する面を与える。黒鉛の跡が角をまたぐ前に止め、十分な余地のない線は描かない。
- 自由なエージェント(以前の描画) — 面をまたいで動く以前の挙動を、比較用に残す。
回転を止めて切り替えてみる。以前の線を面の内側に留めれば十分なのか。それとも面には独自のリズムが必要なのか。陰影のすべての線を輪郭に変えなくても、描きかけの輪郭には表情を残せる。
指やマウスで立方体を回す。止めてから筆圧、線の揺らぎ、描き分けを変えてみる。どこまで線を減らすと立方体に見えなくなるだろう? どの輪郭には重みが必要で、どれは消えてもよいだろう? 8fpsで描き直すをオンにすると、別の線の組み合わせを試せる。落ち着いた一枚を観察するならオフにする。
以前の交差線と柔らかな黒鉛は比較用に残した。黒鉛と交差線は柔らかい下描きと影の交差線を組み合わせる。これらは引き続き面を素材として描く実験だ。新しいエージェント描画では、線の選択から形の性格を見つけたい。
今、何を取り入れるか
2026年10月に確認したリサーチノート。「最先端」は一つの見た目を意味しない。説得力のある静止画、編集できるストローク、安定したインタラクティブな描画は、それぞれ違う目標だ。
- 線の一貫性を保つ。 Praun、Hoppe、Webb、FinkelsteinによるReal-time Hatching(2001年)は今も有用な基礎だ。明るさと縮尺の変化をまたいでストロークを整理する「トーナル・アート・マップ」を提案している。比較用の素材表現では線を面に固定する。新しいエージェント描画では、視点が変わるとき個々の線をどう保持すべきかが、より難しい課題になる。
- 輪郭と陰影を分ける。 Maya Nedeljkovichの鉛筆エフェクト(2022年)は画像と法線の情報を使ってスケッチ風の後処理を行う。Maxime Heckelのメビウス風描画(2024年)は輪郭のずれや影のパターンを探っている。輪郭と陰影を別々の表現として考える参考になる。
- ストロークそのものに構造を持たせる。 Blender 4.4以降向けのScreen-Space Hatch Linesは、流線、点描、落書き状の線をGrease Pencilのストロークとして生成する。完成画像にノイズを加えるだけでなく、線に経路と間隔を与える。元の「動く鉛筆」の実験に戻る際に試したい方向だ。
- 素材をその場で調整する。 Jan Bockの2026年の不可能図形の実験は、黒鉛の陰影、ハッチング、点描、粒子、ライブ操作を組み合わせている。このページで取り入れたいのは、その作業方法だ。同じ形状で、一度に一つのパラメータを変えながら質感を比べる。
- 表現を選ぶ余地を残す。 Kapil Devの古典的手法とニューラル手法を組み合わせるストローク描画の論考(2025年)は、明示的なルールと学習による改良の併用を提案する。これは研究の方向性であり、最良のリアルタイム鉛筆シェーダーが実証されたという意味ではない。今回のブラウザ実験では、線を直接調整できることを優先する。
鉛筆に戻る
エージェント描画の出発点は、下のHLSLによる実験だ。輪郭とエージェントによる陰影では、立方体の面と輪郭を低解像度のガイドにし、各鉛筆の三つの前方センサー、有限の軌跡、描かれた跡の場を使う。一方、面に沿う短い線では輪郭を追わず、面内に短いストロークを組み立てる。どちらも生成した経路を、途切れた黒鉛の細い束として2Dキャンバスに描く。選択的な線の配置、不均一な筆圧、緩い構図は、それぞれの描画ルールに加えた表現上の判断だ。
これは計算量を限定した再解釈であり、元のコンピュート・シミュレーション全体の移植ではない。視点が変わるたび、エージェントは同じ乱数シードで描画を再実行する。止めた視点では絵も止まる。視点をまたいで同じストロークを保持する仕組みや、黒鉛の物理的な付着はまだ実装していない。次に問いたいのは、どの線を構造とともに動かし、どの線を消して描き直すかだ。
比較用の素材表現には以前のWebGLレンダラーを使う。学習済みモデルやストローク画像のダウンロードは必要ない。大事なのは黒鉛にどれだけ似せられるかだけではなく、その線がどんな場所に足を踏み入れる感覚をつくるかだ。
最初の実験 · 2023年
ブルータリスト建築の鉛筆画の中を歩く
ブルータリスト建築の鉛筆画の中を探索するウォーキングシミュレーションを作りたい。以下は目指しているスタイルの例。

プレイヤーが環境内を歩くにつれて、鉛筆のストロークとシェーディングが雰囲気を反映して変わる。穏やかな場面ではゆっくりした直線的なストローク、危険な場面では太く混沌としたストローク。以下にリファレンスをいくつか。

シェーダーとしての鉛筆ストロークはどう見える?
粘菌シミュレーションからインスピレーションを得て、コンピュートシェーダーで各鉛筆の位置と速度の更新ルールを定義する。ただし粘菌のように鉛筆同士が反応するわけではなく、鉛筆はレンダリングパイプラインのポストプロセッシングエフェクトとして機能する。
作るシェーダーは、鉛筆にこんな動きをさせる:
- エッジがあればエッジに沿う
- 平面上では一方向に移動
- 光源/深度に応じて太さが変わる
- 有限の長さの軌跡を残す
HLSLコードはこのリポジトリで公開している。
2023年に考えていた次のステップ
動く鉛筆が多すぎてちょっとカオス。ウォーキングシミュレーションをプレイ可能にするには、フレーム間の一貫性をもっと上げないといけない。コンピュートシェーダーをバックグラウンドで複数パス回して、鉛筆シミュレーションが「定常状態」に達してから画像をレンダリングすればいい。手描きアニメーションみたいなストップモーション感が出るはずだ。