Plum blossom ink wash

毎年2月、水戸の偕楽園で三千本の梅が咲く。1842年からずっと。名前の由来は「衆と偕に楽しむ園」。

花は小さくて、淡くて、幹のすぐそばに咲く。近くに寄らないと見えない。枝のあいだに提灯、湯気の立つ屋台、どこか木の向こうから太鼓の音。誰も急がない。


桜は華やかで有名だけど、梅まつりはもっと静かで、もっと早くて、もっと寒い。まだ冬。厚いコートの季節。息が白い。

旬という言葉がある――ものが一番よい十日間。果物が一番おいしいとき、魚が一番太っているとき、花が一番開いているとき。木の準備ができたから来る。集まりは季節に合わせて生まれる。逆じゃない。


偕楽園、水戸 ― 2026年2月