免疫受容体の設計
白血球の表面は、体外由来のタンパク質にのみ適合する三次元パズルピースのような受容体で覆われている。
がんのシグナルは腫瘍細胞の表面に現れることがある
健康な細胞は、ペプチドと呼ばれるタンパク質の断片を表面に提示している。これらのペプチドはMHCという分子に保持されている。細胞が腫瘍細胞のように振る舞う変異を獲得すると、その変異がMHCに提示される可能性がある。こうなると、白血球は表面の受容体で変異ペプチドを認識するチャンスを得る。




がんシグナルに適合し、健康な細胞には適合しない受容体の設計は難しい
変異ペプチドに結合し、健康なバリアントには結合しない白血球受容体を見つけるのは困難だ。健康なものとがん性のものの間にはアミノ酸1つの違いしかないことが多いからだ。健康なバリアントに結合する細胞があると、健康な細胞を攻撃して自己免疫反応を引き起こすリスクがある。
ここでAIを使って白血球受容体配列の探索空間をナビゲートできる(L. Cornwall, G. Szep et al. 2023)。MHCの表面に最適なアミノ酸を予測するモデルを訓練すれば、病気の細胞を認識する受容体のループ領域におけるアミノ酸配列の探索空間を絞り込める。




Blenderで組合せ複雑性を可視化する
生成モデルは以下のようなPDBファイルを出力する。
ATOM 1 N GLY A 1 -17.507 12.508 39.735 1.00 56.47 N
ATOM 2 CA GLY A 1 -16.155 12.561 40.353 1.00 60.73 C
ATOM 3 C GLY A 1 -15.103 12.063 39.385 1.00 59.90 C
ATOM 4 O GLY A 1 -15.449 11.565 38.306 1.00 61.33 O
ATOM 5 N SER A 2 -13.833 12.192 39.769 1.00 56.73 N
...
各行に原子の座標、原子種、どの鎖とアミノ酸に属するかが入っている。Molecular Nodesアドオンを使えばこれらのファイルをBlenderにインポートできる。PDBファイルの情報を使って、Geometry Nodesで好きなプロパティをレンダリングできるわけだ。
参考文献
L. Cornwall, G. Szep et al. 2023. NeurIPS Generative AI & Biology Workshop. Fine-tuned protein language models capture T cell receptor stochasticity
B.A. Johnston. 2024. MolecularNodes. zenodo.org/records/11483365